こちらアジラDX推進事業本部

ポストコロナの日本社会にDX推進を

DXについて、経営者に物申す

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 先日、日本の生産性の低さを象徴するような出来事がありました。

とある自治体におけるコロナ対策10万円給付の処理の実態です(図表1)。テレビで放映されたのですが、ご覧になった方も多いかと思います。私もこれを見て驚愕しました。

 

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図表1.コロナ給付金の申請処理(出所:テレビ朝日)

 

■なぜ日本の生産性は低いのか

日本の生産性は低いと言われて久しいですが、これはなぜでしょう?

ところで2年前、内閣府が下記の調査を行ったことをご存知でしょうか?

①定型業務集約度と仕事でITを使う頻度の相関について

②投資(IT関連機器、機械設備等)の相対価格の推移について

です。

 

①によると、日本はアメリカ、ドイツといた欧米諸国に対して、定型業務の度合いが高く、かつ仕事にITを活用していない傾向があるとされています。

たくさんある定型業務を人海戦術でこなすのが日本流というイメージですね。

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図表2.定型業務集約度と仕事でITを使う頻度
(出所:「2018年度年次経済財政報告(経済財政白書)」)

 

②によると、国の差はあれどIT投資の相対価格は下落傾向にあることが分かります。昔は高かったIT投資ですがどんどんその価格は下がっているということです。日本はやや下がり方が緩やかですが長期的には下落傾向が見て取れます。

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図表3.投資(IT関連機器、機械設備等)の相対価格の推移
(出所:「2018年度年次経済財政報告(経済財政白書)」)

 

■なぜIT投資が進まなかったのか

IT投資の相対価格が下がっているにも関わらず、なぜ日本ではIT投資が進まなかったのでしょうか?

おそらくこれは、日本に「非正規雇用」という労働コストが安い労働力が大量に存在していたためと思われます。1984年の非正規雇用は、総雇用者数の15.3%、604万人だったのが、その後急速に増え、2017年には、総雇用者数の37.3%、2036万人となりました(厚生労働省)。平均賃金(2017年6月)は、時給ベースでみれば、一般労働者(正社員・正職員)が1937円であるのに比べ短時間労働者(正社員・正職員以外)は1081円と約6割弱の水準になります。

日本に「非正規」が大量に増えた時期は、米国でIT投資が行われて、定型業務で働く人を機械で代替していった時期と重なります。

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図表4.非正規労働者の数の推移(出所:総務省統計局)

 

すなわち、安い非正規労働者がたくさんいたため、

IT投資に係るコスト > 非正規労働者の人件費

となり、定型業務を非正規労働者を主とする低賃金の人にやらせるのが経済合理性に適っていたといえます。

  

■これからはそうはいかない

今までは大量の安い非正規労働者がいたため、上記経済合理性に基づいて業務を行うことができましたが、今後はそうはいかなくなると推測されます。

近年の人件費を見てみましょう。

財務省の資料(2018年)によれば近年一人当たり名目賃金上昇率はプラスで緩やかに伸びています。

既に人材不足は顕在化していますが、将来的に人材不足の問題がなくなることは絶対にありません。なぜならこれは人口減少、少子高齢化が進む日本の構造的問題だからです。すなわち今DXを推進しなければどんどん状況が悪くなることは容易に予測されます。

  

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図表5.人手不足と賃金 (出所:「ファイナンス2018 Jun」)

 

■経営者に考えていただきたいこと

今までは何とか保っていた企業経営も今後は大きな変革が迫られるのは確実です。

経営者にとっては難儀な時代です。だからこそチャレンジし甲斐があるとも言えます。

厳しい言い方になりますが、 “低賃金で人を雇って胸をなでおろす”という経営はもう終わりにしませんか。

DXを進めて生産性を向上させ社員には適正な賃金を払うのが経営者としての正しい姿ではないでしょうか。

 

そうは言っても、

・どのようにDXをスタートすればよいか分からない。

・自社にはITに強い人がいないが大丈夫だろうか

・ブラックボックス化している業務に手を入れるのが怖い

という懸念もあるかもしれません。

 

そんなときはぜひ私たちにお声がけください。何らかの形できっとお役に立てると思います。

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